Amazon、Kindleのコンテンツ印税を7割に・・・

というニュースをyahoo!で読んだ。

書籍を出版したことのある者なら誰でも知っているだろうが、一般的な印税は7%から10%程度(印刷書籍)と非常に低い。
余程のヒット作を書かない限りは、物書きとして生活することはできない。
しかし、この殆ど“紙”商品はデジタル化に最も適した商品でもあるのだ。

「デジタル化可能なものは全てデジタライズされる」まるでボーグの言葉のようにも思えるが20世紀後半から21世紀はデジタライズの世紀である。

AmazonがKindleに注力しているのも当たり前と言えば当たり前の話である。
書籍販売の最も最先端に位置するAmazonだからこそ、最も将来性の無い紙媒体を理解しているのだろう。
本来、書籍の価格は作家が受け取る印税以外は紙代や印刷代金、出版社の利益などである。
デジタル化の波はこれらの要素から物理的な阻害要因を取り除く。
次に中抜きをした形で、販売店とエンドユーザーが直接取引する。

Kindleがキラーハードかどうかは別として、電子書籍関連の環境は益々整いつつあるようだ。
画面の小ささを別にすれば、iPoneなど携帯端末も有望だ。
144dpi程度でカラーの電子ペーパーによるリーダーが市場に投入されれば、電子書籍のシェアは瞬く間に拡大し、紙による出版の時代は終わるだろう。

現在の状況から考えると3から5年以内に実現すると思うが、これは多くの出版社が5年以内に消滅することを意味している。
もちろん、出版業界はその形を変えて生き残ろうとするだろうが、単純な著作権保護など旧来の思考から脱し切れない方法論では未来は暗い。
現状のままでは自分たちの存在理由が無くなることを理解しなければならない。

Amazonにも脅威が待ち受けている。
Amazonが次に恐れているのは、デジタル書籍の個人出版だ。
Amazonも所詮、販売代理店なのだから、「中抜き」のビッグウェーブから逃れることはできないだろう。
今回、Kindleのコンテンツ印税を7割にしたのも、将来のための個人出版作家の囲い込みかも知れない。
この70%という高率は、決済手数料やサーバーリソースに掛かる費用等から計算しても、将来においてもかなり競争力が高く作家にとっては魅力的な利益率だ。

しかし、別の個人出版の形は既に見え始めている。
米国のlulu.comなどによるは個人出版サービスだ。
lulu.comでは作成した書籍データをモノクロの定型サイズであれば一冊8ドル程度で印刷可能だ。
また、そのままlulu.comでISBNを付けてAmazon等で販売することも可能である。
しかし、lulu.comがアナログ出版に固執していると思ったら大間違いだ。
そのあたりは抜け目無い。もちろん電子書籍も完全サポートだ。

益々、目が離せないコンテンツマーケット。
日本だけが、遅れている。

Kindleとnookの機能比較 nookも良いけどkindl 3 も中々、、

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