読まずに批評
「ウィキノミクス」
なんとなく形成されつつある新しい概念に名前がつけられると、情報が整理されその概念を使った新たな思考が可能となる。
これはカプセル化したオブジェクトを利用するようなもので、ややこしい話をひとまず大きくまとめて、利用しやすくすることができる。
「WEB2.0」などは範囲が広すぎて、そこから派生したものはバリエーションが多すぎるが、「ウィキノミクス」は適度にまとまり、そこそこ使いやすい。
インターネットの利用は当初思われていた以上に大きなパラダイムのシフトを社会に与えている。何を隠そう、、別に隠しているわけでもないが、この「パラダイム」はトーマス・クーンによつて提唱された概念で、元は科学技術に対して基本概念を指す。
つまり、天動説や地動説がパラダイムで天動説から地動説への思考変化とそれに伴う社会の変化がパラダイム・シフトである。
インターネットが及ぼすパラダイム・シフトは情報のパラダイム、人間の思考に関するパラダイムなどである。
今まで独立して存在、偏在していたと思われるこれらの情報はインターネットやプロトコル、ツールといったものの力を借りて思考の共有物に代わろうとしている。
そのため、古いパラダイムの中で養われたルールが通用しないのだ。
例えば著作権や作品のオリジナリティ。これらの問題を旧来の法律やルールで縛ることはできない。
「ウィキノミクス」では主にソフトウェア開発に対するオープン化と開発方法に関しての考察のようだが、、(読まずに想像・・)
言い方を変えれば、インターネットによって産業は新たなイノベーション、人間は「ウィキノミクス」というパラダイム・シフトを経験するのではないだろうか。