WEB進化論

「WEB進化論」という本がブログの話題でも多く取り上げられている。
本を読んだ訳でもないので、感想を書く訳ではない。

進化論と言えば、もちろんダーウィンの進化論が有名だ。
進化論は、『種の起源』(The Origin of Species)に記されているが、最も大切な概念として理解しなくてはいけないことは、進化は必ずしも進歩ではないということである。
進化は適者生存が図られ、その結果として自然淘汰が起こる。
このことから考えると、進化は単なる結果でしかなく、何ら意味を持たないのではないだろうか。
自然淘汰による進化には意味がないのかも知れないが、人間は絶えず自らを「進歩」させようと考えている。

インターネットは人間が作り出したものかも知れないが、人間は多くの場合、自分の作り出した物に依存し、ライフスタイルを変化させる。
インターネットは社会に多くの影響を与えた。
これは革命(単に革命的ではなく)と言えるもので、18世紀後半の産業革命とは比べ物にならない質的な変化を人間社会に与えている。
しかし残念なことに日本国内においては多くの場合、インターネットを単なる技術革新、通信確信、ビジネスチャンス程度にしか捉えられていないことだ。
技術的、ビジネスを含め、インターネットが社会と人類にどのような影響を与えるか正しく研究され評価されなくてはいけない。
私はインターネットは人間の知のネットワークを可能にした始めての地球規模ネットワークであり、人間を次なる状態へ進化させるテクノロジーだと思っている。これは単なる言葉上の比喩などではない。
もし人類の歴史上、進化(社会的進化も含め)の分岐点をあげるとすれば、それはまさに現在である。
上手くいけば、人類は個人間でリアルタイムな直接情報交換可能な、より完成された知のネットワークを手に入れ、誤解や差別による戦争や争いを根絶させることが可能となるかも知れない。
そのような社会は、地政学や古い国家観からは遠く離れた新しい地球規模の連帯意識を共有したものとなるだろう。
WEBの進化は同時に人類を進化させるものになるはずだ。

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