DTPの終焉

DTPの言葉の発生の時代からクリエイティブを生業としている自分である。

その昔、書籍の発行や所有はごく一部の者の特権だった。

その後、数百年が経過し、初期の活版印刷が廃れ、より簡易で安価なオフセット印刷が現れて、世の中は大印刷時代の幕開けととなった。

和文タイプや電算写植機のオペレーターがまだ一つの職業として存在していた時代。

しかし、ツールの大衆化と価格の低下は今までは当たり前として存在していた職業に終焉を告げる。

Aldusが『PageMaker』によって提唱したDTPは、瞬く間にデザイナーを飲み込み、目の前のディスプレイで印刷物の原稿作れる時代がやってきた。

勿論ここでもツールの大衆化と低価格化は避けられない。

頭の固いデザイナーは、いつまでたっても『フォントが、、』『文字詰めだ大事だ』などと専門的な知識に逃避行する。

しかし、DTPが一つの職業として存在する時代は終った。

もう少し正確に言えば、版下を制作するという作業が専門業種が無くなりつつあるのだ。

DTPは独立した業種ではなく単なる作業でしかない。

DTPはデザインを行う者が当たり前に持つべき作業スキルの一つになった。

近い将来、DTPや組版という言葉も死語となり消えていくだろう。

※ここではDTP=コンピュータを利用した組版制作(技能)を指しています。

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