良い企画と悪い企画書 -単なる資料はゴミ箱行きだ!-
仕事柄、多くの企画を立上げ、企画書を作成してきた。
様々な解説書が出版されていることからもわかるように、企画書の書き方などは多種多様だ。
しかし、個人的な経験では現在多くの企画書はMicrosoftのPowerPointで作成されているように思える。
PowerPointは中々良くできたプレゼン資料作成ソフトで、普及率から考えても合理的な選択と考えられる。
他のMicrosoft製品と同様に少々操作性に難があるものの表現力は合格点だ。
PowerPointの特徴はプレゼンのためのスライド資料の作成に適していることだ。
配布のための資料を出力し、そのままプロジェクターやモニターを利用したプレゼンという流れを考えた場合、PowerPointが最も利便性が高いソフトと言っても良いかもしれない。
ここではPowerPoint自体の問題ではなく、私自身経験している企画と企画書の問題点を考えたい。
- やたらと情報量が多い。
多くの場合、悪い企画は情報量に比例する。 つまり、図版や文書量の多い企画程、内容が無い。 - 説明しすぎ。
隙が無く緻密に組まれた企画ほどくだらないものは無い。 説明が多い企画は企画内容の欠点や新規性を隠すための常套手段だ。 - ページ数が多い。
良い企画内容の説明に多くのページは必要無い。 良い企画書は読んでいて気持ちが良く、リズムがある。 上記二つの項目にも関係するが、ページ数の多い企画書はエコじゃない。2ページから5ページ程度でまとめろ! - 用紙サイズと方向が問題。
企画書の基本サイズはA4横が多く見られる。 特にプレゼンテーションの流れを考えるとA4横にせざるを得ない。 しかし、PowerPointによる編集と図版の配置には便利な横レイアウトでも、文字を中心とした場合は読み辛くなる。プレゼンテーション資料としてのマッチングが必要無いのであれば、A4縦も良いだろう。 資料内に縦横が混在することは良くないが、全体的に違和感無くまとまっていればそれも良いだろう。 また、B4横レイアウトの企画書も良く目にする。 こちらは豪華に見える反面、ハンドリングが悪く保存性の低い資料と言えるだろう。 - 安っぽい既存テンプレートを使うな。
多くのPowerPointユーザは既存のテンプレートを利用した資料作成を行う。 デザインやレイアウトに拘る必要は無いが、標準で容易されているテンプレートはいかにもMicrosoftらしく野暮ったい。 画一的なカットやシンボルを無作為に配置されている企画書は読む気にもならない。 - コピーするなヨ。
参考資料をコピーして張り付ける必要は無い。 巷に転がっている情報を長々と説明されるにはうんざりする。 もし資料が必要なら、企画書では無く添付資料として作成すべき。 - 最悪のケースを想定していない。
最悪のケースとは上手くいかなかった場合の数値設定ではない。 『失敗した場合』の撤退時期と撤退方法である。 - つまり、、花が無い。
企画は内容が命だ。そしてその企画内容はパズルを寄せ集めたような内容であってはならない。
良い企画は最初の一枚で判断できる。花の無い企画、輝きの無い企画はダメだ。
もちろん花の無い企画であることを一番良く知っているのは企画者自身だ。