電子書籍の統一フォーマットePUB?
最近、電子書籍関連のニュースも多く個人的にも作成したりしていますが、どうも「電子書籍」という名称がややこしい。
フォーマットが違えばそのフォーマットに対応していないソフトやデバイスでは表示されないことは当たり前ですが、そのうち(既に?)FLASHで作成されたものまでもが電子書籍と呼ばれるでしょう。
その昔、「シンカ」やピーターガブリエルの「XPLORA 1」など伝説的な「マルチメディアソフト」というのもありまりました。
どちらもMACのソフトですが、今の言葉で言い換えれば、正に「新時代の電子書籍」でした。
しかしこれらは真の「電子書籍」とは言えません。
現在、世界中の出版界を巻き込み、グーテンベルグ以来の書籍革命と呼ばれる「電子書籍」の出現は過去のものとは全く異質なものです。
現在の電子書籍に必要な特徴として、以下の5項目を挙げてみました。
- 独立したデバイス
少なくとも8時間以上はバッテリーが持って欲しい。
これじゃないと、自由に本を読むなんて普通のことができない。 - テキストを引用(コピー)し再配布可能な構造。
テキストじゃないと! 個人的にはDRMは×です。著作権や費用回収云々の問題じゃなく、自由じゃないからです。 - 出版の自由を確立するために、誰でも(多くの人に)作成可能で単純な構造。
電子書籍の時代はself publishingの時代です。 - 1000年後も再生可能な記録、又は配布方式(ファイルフォーマット)
紙書籍って以外と長持ちです。電子情報の脆弱性と未来互換の低さは危険ですね。
これはデータをできるだけプレーンなテキストにしておく必要あり。 - 自由なマーケット拡大を阻害しないために、物理的な制限を設けない。
もちろんWEBも物理的だけど、、ネットさえ繋がっていればどこへでもコンテンツが送れないと!
上記特徴の項目には、実際にはデバイスとコンテンツ(ファイル)、配布の3つが含まれていますが、 ここで問題なのが、上述した2と3(+4も)の「電子書籍フォーマット」(※1)に係わる項目です。
現在電子書籍と呼ばれるものには様々なフォーマットや方式が存在しますが、個人的にはePUB形式が適当で主流にもなると思っています。
そこでこちらも個人的に「電子書籍」を定義しました。
このあたり、簡単にでも決めておかないと、仕事の時に困りそうなので。
- 電子書籍
ePUB(広義ではSGMLやXMLのサブセット。)
構造化された文章構造を持つもの。 - アプリ書籍
それ以外のもの(pdf,FLASH,iPhoneアプリなど)
FLASHやアプリからxmlを読み込んで、、と言うのは今のところグレーゾーン書籍っていうことで。
勿論これはePUBが優れているという理由では無く、現状は最も適したファイルフォーマットであると言った理由です。
私自身、「ePUB最高!」なんていうスタンスではありません。
「今のところePUBかな、、HTML5でも良いけど、、」程度と思って頂ければ幸いです。
(※1)
厳密に言えば、作成と配布ファイルがあります。
紙書籍は作成と配布の情報形態は同じですが、電子書籍の場合は違ってきます。
例えば、構造化していないデザインをInDesignで作成し、ePUB化すると作成ファイルは将来的に使えないデータです。
このあたりの話は長くなりそうなので、割愛。