電子書籍のマーケット
紙の本のマーケット
iPadやkindole、nookが販売され、国内にいても電子書籍への期待度が非常に高まってきました。
個人的な予測では3年以内に多くの書籍が電子化され電子書籍マーケットは急拡大するでしょう。
勿論、紙の本が3年後に全く無くなるなどとはいえませんが、気が付けば無くなっている。。と言った状況が起こっているでしょう。
そこまで到達するには、多分10年程の時間が必要と思いますが、確実にやってくることに間違いありません。
CDの販売推移はインターネットでの音楽配信の影響を直接的に受けていることを表していますが、電子書籍のマーケット成長も同様の推移をたどると思われます。
(音楽CDは紙の本と違って最後には全く姿を消すでしょうが。)
電子書籍のマーケット
それでは電子書籍マーケットは今後どうなるのでしょう。
ここで「電子書籍マーケット」といっても電子書籍の“何”のマーケットを考えるかが重要です。
つまり正確には「電子書籍●●マーケット」について考えなければならないのです。
現在の書籍マーケット
- 電子書籍コンテンツマーケット
これはコンテンツ制作のこと。
執筆者(小説家、漫画家、画家、エッセイイスト、詩人、評論家、ブロガーなど、、) - 電子書籍プロダクツマーケット
つまり、本を作るところ。出版社です。 - 電子書籍流通マーケット
現在の出版取次ぎのことで、トーハンや日販のことです。 - 電子書籍販売マーケット
現在の本屋さんです。
未来の電子書籍マーケット
現在のマーケットが今後どのように変化するか。
キーワードは個人レベルで行える作業がどの程度の割合かにより、現在のマーケットが今後どのように変化するかといったことが考えられます。
- 電子書籍コンテンツマーケット
変化ありません。 - 電子書籍プロダクツマーケット
現在の書籍制作は様々な技術や設備が必要ですが、電子書籍の制作は個人でも可能になります。
ただ、書籍としての文章校正やレイアウトやなどのクオリティ維持にはプロフェッショナルな技術が必要です。
電子書籍のファイルフォーマットがpdfであれば簡単な出力で済みますが、主流はePUBに向かっている様子です。
ePUBのレイアウトは現在CSS2で将来的にはCSS3に移行するでしょうが、日本語固有の縦書きやルビなどへの対応はかなり遅れるでしょう。(もしかすれば対応されないかも知れない。)
電子書籍とはいってもePUBフォーマットは現在のWEBページ作成と同じです。
現状のWEBページに縦書きページが無く、WEB独自のレイアウト方向に向かっていることを考えると、ePUB電子書籍も同じ道を辿ると考えられます。
尚、出版社は流通とのパイプを持っているので、その後の電子書籍販売を考えた場合、個人製作には課題が残ります。
つまり、電子書籍は個人でも制作できるが、、やっぱり、ちょっと難しい。。けど、頑張ればできる。ですね。 - 電子書籍流通マーケット
必要無くなります。
流通とは基本的に物流を扱う技術です。
電子書籍に限らず、物流を必要としないデジタルコンテンツは今までのような複雑な物流システムは必要ではありません。
現在の書籍販売では最終的に全国の本屋さんに本を並べる必要があるので、このような流通マーケットが存在します。
ISBNコードのような管理コードの付与も独占的な流通システムの上に成り立っています。
紙書籍の場合は著者を特定し、コピーや偽著者の書籍出版をブロックしているとの考えもありますが、この問題に関しては他のデジタルコンテンツ(音楽、ブログ、Twitter等)全てに関する課題ですので、問題として取り上げるには無理があるでしょう。
また、DRM(Digital rights management)は技術的には可能でも本来のWEB志向ではありません。著作物の権利と利益を守るには技術で無く、新たなビジネスモデルが必要だと考えています。 - 電子書籍販売マーケット
リアルな本屋さんは姿を消し、amazonやiBookstoreなどネットワーク上でのダウンロード販売が一般的となります。
現在のところISBNの付与が必須なので、前述の流通も含めた古い(現在)の体質が問題となるでしょうが、海外では格安のISBN付与や個人でも可能な電子書籍の販売サイトが次第に姿を見せ初めています。
kindoleとiPadは開発コンセプトが違いますが、kindole向けの書籍であればより自由な販売が可能でしょう。
また、kindoleやiPadは現在の書籍を非常に意識した(影響を受けた)サービスとなっていますが、これらの体質から脱却してた新しいサービスも生まれて来るでしょう。勿論どのサービスが成功するか? 解りませんが。