成長と繁栄と衰退 鰻の場合
物事何事にも始まりがあり繁栄の後には衰退が訪れる。
例えば料理。
レシピを見ながら一生懸命作った料理は次第に美味しくなり色、形も洗練されて行く。
しかし、味や形に満足すると料理の完成形を迎え、次には次第に下降線を描き味は落ちてゆく。
料理はタイミングと熱意が味に現れるので慣れてはいけないのだ。
今日も夕食時に『最近は鰻が美味しくなくなった、、』という話を嫁さんにした。
大好きという程ではないが、以前はもっと鰻が美味しかったように思える。15年程前には福島で鰻づくしなる料理も食べた程なので、少しは鰻の味にうるさい。
最近食べる鰻は中国産の物が多く、知らず知らずに大作りで油っぽいブヨブヨとした触感が鰻だと思ってしまっていたのかも知れない。安い中国産が悪いとは言わないが、日本の蒲焼には本来合わないのかも知れない。
ワインもそうだ。
安いワインがどんどん発売され、最初は1500円程度でも安いと思っていたら、1000円を切るようになり、、飲んでみれば、中々美味しいじゃないか。
終には600円程度のワインまで出てきた。
しかし、ここまで来ると、まてよ、マズイんじゃないか、、とふと気が付き始める。
人間は急激に品質が下がると気が付くのだが、徐々に品質が下がるとその変化に気が付かないものだ。
本来鰻はジューシーでからりとしたイメージがあり、肉厚もそんなに厚くはない。
これは一度、しっかりとお金を出してまともな(古き良き)鰻を食べに行かなければならない。
そう、鰻料理(鰻重)における味覚をリセットしなければならない。
もしリセットし、理想の鰻を口にしても尚、油っぽく感じたのならば答えは簡単で僕が歳をとったということに他ならない。
そうそう、何故こんな話になったかというと、もうすぐ土用の丑の日。この前にも土用の丑の日があったはずだけど、、何故2回もあるのかと考えながら鰻の話が始まったのだ。(答えはこちら) 皆さん夏バテに気を付けて下さい。