三木谷君

今日、何気なくテレビを見ていると、楽天の三木谷君が出ていた。
サイトの構造というものは、制作者の性格や考え方を反映する。
三木谷君が楽天の前進、株式会社エム・ディー・エムを設立したのは1997年、私が某社を設立した年と同じである。
私は1997年に米国産のショッピングカートシステムを日本語化し、1998年にショッピングサービスを開始した。当時、楽天のモールは既に存在してたが、利用料が高いことと、システムの重さ(レスポンスの悪さ)に閉口してしまい、“このサイトは使い物にならない”と判断していた。
(もちろんこの判断は間違いだったのだろう。その後の楽天の発展を見ると明らかである。)
1999年の初め頃には楽天から出店依頼をもらったが、やはり断った。依頼するくらいなら少しくらい出店料を安くしろよ・・・というのが正直なところだった。
同じ年の10月には私のサイトと楽天は共に日経のインターネットアワードを受賞した。
楽天は私の会社など知らないだろうが(日経の受賞式で少しは記憶があるかもしれない)、このような経緯もあって、私にとっては意識的に非常に近い存在である。

現在、私はTBSを見ているだけだが、楽天は今や、TBSを買収しようとしている。
・・・と言うと、羨ましがっているように思われるだろうが、それはまったく違っている。

2000年にITバブルが崩壊して、多くのIT企業が姿を消した。
経営による成否は紙一重、運と実力とタイミングである。
私の会社は今も存続しているが、もしかすればそれは、バブルの頃の幾つかあった出資話を断ったからかも知れない。いや・・・断っていなければ、今頃TBSを買収していたかも知れない。・・・いやいや、私はやはりTBSは買収しないだろう。
私がインターネットビジネスを始めたのは、それが革命的なことだったからだ。ビジネスチャンスなどという小さな理由ではなかった。社会的、地球規模的な革命が起こり、自分自身もその革命に参加したいと思ったからである。

楽天のモールシステムは煩雑で汚い(合理的でない)。
サイトを見る限り、彼は理想主義者ではないようだ。
実利主義のビジネスマンである彼は、今日見たテレビ番組で、“日本を変える”と言っていた。彼の今までの言動から、そのようなビジョンを見たことはない。
どのようなビジョンを提示するか楽しみである。
“日本のM&Mは・・・”や“欧米並みの企業買収・・”などの話は聞き飽きた。
そんな聞き飽きた経済の話や“勝ち組理論”は素人ビジネスマンのセミナーで話してくれ。

それほどキャッシュフローがあるなら、ユーザーのために、もう少しましなモールシステムを構築しろよ三木谷君。

ps.借金が多かったね。

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