オープンソースでDTP 1

この命題を解決するにはまだ、少し時間がかかるかもしれませんが、オープンソースでDTP環境が構築できるとなれば、その恩恵は高速道路の無料化にも匹敵するか、もしかすればそれ以上のカタルシスを表現者に与えます。

ここでは先ず、代表的なアプリの再確認を行ってみたいと思います。

先ず、DTPの3種の神器といえば、Photoshop、Illustrator、InDesign(QuarkXpress)で、QuarkXpress以外は全てアドビ社製という、状況が続いています。
現在、米国の公文書保存の基本フォーマットにもなっているpdfなどポストスクリプト周辺技術も含めると、リバースエンジニアリングもままならない状況はとても危険で不公平なものだと思います。

これが、Microsoftの製品であれば、とっくの昔に独禁法嫌疑をかけられていたかもしれませんが、アドビ社は大きな障害を受けることも無く、その覇権はWEBソリューションにまで及ぼうとしています。 QuarkXpressはInDesignに対抗しうるページレイアウトソフトですがQuark社は過去にはアドビ社に提携を持ちかけたこともあり、また、同族の閉鎖的な企業でもあることを考えると、将来の開かれたマーケットを担う企業とは言えません。

自由に創作を行うためにはこのDTPの3種の神器のオープンソース化が必要不可欠です。
現在、最も有望とされている各対抗ソフトウェアとしては以下のものが考えられます。

GIMPに間してはPhotoshopと差し替えても問題の無いレベルに仕上がっています。
Photoshopに比べると少々癖はありますが、自由への代償として楽しみ、どんどん利用しましょう。

ベクトルイラストの描画ツールとしてはInkscapeが有望です。Inkscapeは縦書きにも対応しているので、ペラ物、小ページ数の冊子などのプリプレス制作ツールとしてはIllustratorに頼る必要もありません。現在のIllustratorは非常に多機能なので、全ての機能をInkscapeに求めることはできませんが、必要十分な機能を備えていると言えるでしょう。出力フォーマットに関してもpdf出力が可能なため、印刷原稿の作成にも問題はありません。

ページレイアウトソフトとしてはScribusが最も有望です。実際、英語圏のドキュメント作成にはほぼ問題は無い機能を有していると言えるでしょう。
こちらもpdf出力が可能なため、印刷原稿の作成にも問題はありませんが、致命的な問題として現状のScribusでは縦書きをサポートしていません。

今回は3つのアプリを簡単に紹介しました。
現状では日本語縦書きのページ数の多いドキュメント制作には課題があります。
さて、『オープンソースでDTP 2』を目指してもう少し調査を進めてみます。

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